登山好きなら一度は宿泊登山をしたいと思うもの。九州は2000メートルを超える山がないこともあり、宿泊に迫られる山はなく、山中で宿泊できる場所も少ないです。
それでもせっかくなら山に登って宿泊したい!という気持ちがあるのも事実
登山でテント泊できるキャンプ場、坊がつる、宝満山、脊振山をまとめました。九州以外の高い山に行く方も宿泊の練習を行う場所として参考にしてください
目次
漫画「山と食欲と私」にも取り上げられた「坊がつるキャンプ場」
くじゅう連山のどの山に行くにも中心地としなり「へそ」ともいうべき場所が「坊がつる」です。お手洗いがあるため、ここで休憩する人も多い場所で、広いテント場は使用料無料、自由にキャンプができます。
漫画「山と食欲と私」でも主人公が宿泊に使用した場所で、自然の雄大さを感じられる九州では人気のスポットです。
坊がつるキャンプ場は水場もあり、調理は可能ですが、焚火は禁止です。
くじゅう連山はどんな山?
大分県にあるくじゅう連山は主峰の久住山をはじめ、星生山(ほっしょうざん)、天狗ヶ城(てんぐがじょう)、中岳(なかだけ)、三俣山(みまたやま)など、どの山も個性があり、魅力的です。
5月下旬から6月中旬はミヤマキリシマが各所に咲き誇り、秋には大船山(たいせんざん)の紅葉を見ようと、多くの登山者でにぎわいます。
それぞれの山に行くには縦走しなくても、近くの登山口から登れば良いので、宿泊しないと登れない山はありませんが、くじゅう連山にある、すべての山を制覇しようとすると、どんなに最短のルートを通ったとしても、1日ではかなり厳しいでしょう。
「山と食欲と私」の重要回にも登場
「山と食欲と私」は新潮社のくらげバンチで連載される、主人公が日々野鮎美が山に登って、山での食事の楽しみ方や、鮎美の周りの人間模様、時には登山の厳しさを短編で構成された人気コミックです。
単行本の10巻にて、鮎美の父親は若くして亡くなっており、鮎美の記憶にもほとんどない中、一枚の写真を頼りに、山好きだった父の面影を探るという回の舞台こそ久住山であり、宿泊に使用したのが坊がつるでした。
父親の撮影している写真は、坊がつるでも印象深い場所なので、「あそこか!」となります。
山中にある秘湯「法華院温泉山荘」
坊がつるから歩いて10分ほどの場所に、法華院温泉山荘があり、日帰りの温泉使用や、予約制で宿泊も可能です。
標高は1303mで九州でもっとも高い標高にあり、交通手段はありません。自分の足だけで登らなければ浸かれない温泉は、まさに秘湯です。
食事などもあり、施設もきれいで、厳しい登山のサポートをしてくれます。
公式ホームページ:http://hokkein.co.jp/
九州でもっとも登られる宝満山にある「楞伽院山荘」
「楞伽院山荘」は九州で屈指の人気を誇る宝満山の山頂付近にある、キャンプ場です。
宝満山は福岡県太宰府市にあり、中心地から車で40分、公共交通機関を乗り継いでも1時間20分ほどで登山口まで行けます。
アクセスの良さもあり、福岡だけでなく各地から登山者が集まり、くじゅう連山や阿蘇山といった日本百名山を抑えて、もっとも登山者が多いとされています。
キャンプ場内は調理は可能ですが、焚火は禁止です。
宝満山はどんな山?
宝満山山頂までは、麓にある竈門神社の登山口から約2時間ほどで、5時間もあれば休憩しながらでも往復できます。
周辺の米の山、岩屋山などに、一日で問題なく縦走も可能です。
竈門神社がアニメ、鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎の名前の由来になったという説があり、アニメファンが聖地巡礼として山頂にある竈門神社上宮を目指して登ることもあります。
また、古くから霊峰として信仰されており、長く愛されている山です。
気軽に利用できる「楞伽院山荘」
山頂から10分ほどの場所にある楞伽院山荘(りょうがいんさんそう)はトイレもあり、休憩場として使用する方も多く、宝満山の山頂からは鎖場を降りるスリルがあります。
以前は宝満山キャンプセンターだったため、今も宝満山キャンプセンターと表記されていることも多く、同一の施設という認識で問題ありません。
誰でも無料で使用できますが、キャンプ場として利用する場合は休憩は50円、宿泊は500円です。土日には管理人さんもいますが、売店などはなく、キャンプ場には照明もありません。
公式ホームページ:https://www.houmanzan.com/
車で行ける!変わり種のキャンプ場「脊振山キャンプ場」
「脊振山キャンプ場」は、坊がつるや楞伽院山荘と違い、どちらかというとキャンプ場としての要素が強く、この3か所の中では唯一焚火の出来ます。
脊振山は普通に登山することもできますが、頂上に歩いて10分の場所まで車で行くこともできるため、お手軽に登山気分を楽しめま。
駐車場の近くにキャンプ場があり、そのままキャンプ可能です。
脊振山はどんな山?
古くは修験道として脊振神社の上宮があり、近年では米軍のレーダー施設として利用された特殊な山で、山頂には神社とレーダー施設が同一の景色の中、防衛省の敷地などもあり、異質な土地となっています。
雷山、井原山といった福岡では人気の山に縦走可能です。
唐人の舞という特殊な名前の山にも縦走可能で、唐人の舞は「唐」からの使者が、その景色に舞ったとされることから名付けられ、今もその景色を楽しめます。
無料で利用できる「脊振山キャンプ場」
特徴は無料で利用可能ということでしょう。
それほど広くはありませんが、駐車場にトイレもあり、車でキャンプ場内に入れる上に、焚火も楽しめます。
脊振山山頂まで10分ほどなので、キャンプ前後に山頂からの景色を楽しめるため、ご来光を見るためにキャンプ場に宿泊するのも良いですね。
登山でキャンプする醍醐味
登山でキャンプするということは、山の中で、より自然を感じながら食事や睡眠をおこなうので、非日常感を強く感じられます。
自然の中で過ごしたり、山に登ることでストレスが軽減されるということも証明されはじめていますし、登山中や山の中では通信も良くないので、デジタルの波からいったん離れられます。
忙しいときこそ、ゆっくりと山と向き合う時間をとってみてもいいかもしれません。